『森と、母と、わたしの一週間』

前回の高校入試から約半年が経ちました。
月日が経つのは早いもので、すぐ順番が回ってきます。夏期講習は有意義に取り組めたでしょうか?

 さて、令和7年度高校入試の小説は、八塚澄子さんの『森と、母と、わたしの一週間』が出典でした。
主人公がボランティアで関わることになった「森のようちえん」。

雨が降る森の中を一人の園児が大きな炊飯器を抱えてうめきながら歩いています。主人公が手助けしようと引き返しかけたその時、幼稚園の先生に「放っといて」と止められます。「ひどくない?」と思う主人公に対し、先生が語る言葉の引用です。

 「あやめちゃんち小さい弟や妹がいて、家でもここでもキャパオーバーになるまでがんばり過ぎちゃうの。がんばるのはいいことだけど、しんどいときに『助けて』っていえないとこまるから、わたしたち、あやめちゃんが自分から『助けて』っていえるようになるのを、ずっと待ってるの。」

 親としては色々口出ししたいけれど、先回りせずにグッとこらえて待つことの大切さを改めて考えさせられます。そして何より、塾の先生としては、塾生みんなが分からないときに「分からないから、助けて。」って言ってくれるのを待っています。

国語担当講師 荒柴