暈(かさ)

今の時期は梅雨と言われる時期ですが、なかなか雨が降らなかったり、降るとなったら大雨だったりと以前とは異なるものとなってきました。雨にせよ、日照りにせよ、傘をさす機会が多くなりますね。

ところで、太陽や月も「かさ」をさすのを知っていますか?当然ながら、人が傘をさすように太陽が傘をさすわけではありません。太陽や月の周りにぼんやりと現れる虹のような光の輪のことを「暈(かさ)」と言います。気象的には「ハロ」と呼ばれることのほうが多いようです。

さて、私は国語担当なので、ここからは漢字の話をしたいと思います。そもそも「軍」という字は兵車でぐるりと取り囲む様子を表した字であり、ぼんやりとした光の輪が「日」を「軍(ぐるりと囲む)」ので「暈」になったと思われます。また、「かさ」以外に「眩暈(めまい)」と「暈(ぼか)す」という読みもあります。ぐるぐる回っているから「眩暈(めまい)」、ぼんやりから「暈(ぼか)す」連想していくと覚えやすいですね。

今の高校入試は、傍線部の漢字と同じ漢字が使われている熟語を選ぶという選択問題が出ます。これには意味の理解が必要です。なかなか覚えられないなあと思ったら、一度漢字辞典を開いてみてください。先の「暈」のように、成り立ちが分かると意味や読みを連想で把握していけます。意味の分からないものを覚えることほど苦痛なものはありません。だまされたと思って一度漢字辞典を開いてみてください。


国語担当講師 荒柴