突然ですが、大河ドラマは見ていますか？
今期は江戸時代後期に版元(出版プロデューサー)として活躍し、北川歌麿や東洲斎写楽、山東京伝などを世に送り出した蔦谷重三郎の物語です。
ちなみに俳優の横浜流星さんが演じています。
さて昨今、エミー賞18部門制覇のハリウッドドラマ「SHOGUN 将軍」や日本アカデミー賞で最優秀賞作品賞を受賞した『侍タイムスリッパー』が話題になり、時代劇が注目を浴びています。
しかし、地上波で見られるのは先に挙げた大河ドラマをはじめとしたNHKくらい。
塾生の大半が時代劇を見たことがないという時代になりました。そこで、少し困った問題が。
中３の教科書に森鷗外の「最後の一句」という時代小説が掲載されており、白洲での取り調べのシーンが出てきます。「お白洲」といえば、ある程度の年齢以上には時代劇の大定番なのですが、今の中学生には見当もつきません。まったく想像のつかない世界の話ですから、登場人物の心情を読み取るどころではありません。
だから、必ず大河ドラマや時代劇を見なさいというつもりはありません。
ただ、一方向だけに光が当たる樹木が曲がってしまうのと同様に、スマホなどで好きなもの、興味のあるものだけを見ていては、人間もまっすぐ育たないのではないかと思うのです。しっかり太陽の光を浴びた木がまっすぐ丈夫に育つが如く、様々な知識を浴びることが強く成長していくことにつながるのではないかと思うのです。
国語担当講師 荒柴